肩こりは、日本人の代名詞のように古くから悩みの種です。解消したいのですが、皆さん長い期間悩ませ続けられています。もう治らないとあきらめていた肩こりも、筋肉のこわばりが原因の場合にはほとんどの場合が治るということです。
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【首都大学東京 理学療法 竹井 仁教授の話】
肩こりは、筋肉の過度の緊張から起こります。頭の重さは約5kg~7kg、腕は3~4kg、合計15kgを首や肩で支えています。
そのためストレートネックの方は、頭の重みがダイレクトに首や肩にかかりその緊張で肩こりが発生します。
そのほか、五十肩、内科的な狭心症、肺がんでも肩こりの症状がでますので、本当の原因を病院でしっかり検査することが必要です。
●肩こりの悪循環で、どんどん悪くなる
1.筋肉の過度の緊張で肩こり
2.血流が悪くなる
3.疲労物質が肩などにたまる
4.痛み 不快感
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●肩こりがおきやすい条件とは
・不良姿勢
・運動不足
・体型
・持続的緊張
・寒冷
・ストレス
この条件を解消することが大切です。
●治すためには
肩こりの原因を特定し、正しい姿勢と筋肉のトレーニングが必要です。筋肉トレーニングは「いかり肩」と「なで肩」で対応方法が違うとのことです。
鎖骨の首側の位置より肩側の位置が高いと「いかり肩」低いと「なで肩」だそうです。
いかり肩の人
椅子にすわり両手を開き腕を直角に曲げ、その腕を下に下ろす
なで肩の人
椅子にすわり両手を開き腕を直角に曲げ、首をすくめるように下げる。以上を10回1セットで1日3セット
(詳しくは、NHKさんのサイトを参照してください)
【肩こりの痛みをとる最新治療IMS】
東京慈恵会医科大学 ペインクリニック 北原 雅樹准教授
IMSは筋肉内刺激法といい筋肉のトリガーポイントに刺激を与える治療法です。治療には太さ0.25mm 長さ4cmのハリを使い、筋肉の深い層に差込み痛みを起こしている場所に刺激を与え、痛みを和らげるとともに筋肉の柔軟性を回復します。
はりは痛みの範囲で数箇所から数十箇所刺していきます。さらに運動療法を半年ほど続けることで症状が改善していきます。
●そのほかペインクリニックによる痛みをとる治療法
・非ステロイド系消炎鎮痛薬・・一般的な痛み止め、急性の肩こりに効果的
・筋弛緩薬・・筋肉の緊張を緩和する
・神経ブロック・・神経の途中に局所麻酔をいれる
・トリガーポイント注射・・トリガーポイントに打つことで痛みを和らげる
【運動、薬以外に肩こりを解消するための大切なこと】
1.食事・・慢性の痛みは、食生活の偏りが問題になっていることがあります。
2.睡眠・・睡眠が充分にとれないと疲労がたまると肩こりになります。
3.リラクゼーション・・ヨガや瞑想法や自律訓練法は肩こりに有効です。
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長年苦しめられてきた「肩こり」とは、本当にさよならしたいですね。頑張りしましょう!